Home > 高麗恵子 WEB サロン > 導き

導き / 発言者:Kazue Fujiwara

退院の朝、最後までよく眠れなかった6日間を考えていました。2時間おきに目が覚める夜、病院とはそういう所なのだろうか。ガラス窓越しに毎朝眺めていた道行く人々。かつて私もその内の一人であり、誰よりも早く人混みを縫って歩き、時には小走りをしていました。朝、夜と、私はまた同じことをするのだろうか。嬉しいはずの朝が複雑な思いの朝となりました。社会生活とは、誰が作った言葉なのでしょう。管理する側の言葉、日常と社会は一つにならないのかと考えていたら、退院で迎えに来た母の声が聞こえました。手術が終わり、ほっとしたのも束の間で、集中治療室にて気持ちが悪くなること2回、その際に心肺停止4秒が起こったようで、急遽心臓検査となりペースメーカーの話まで持ち出され、更に不安に落ち込みました。幸い何事もなかったのですが、母は憔悴していました。入院が決まった時からアントレプレヌールサロンに行くと決めていた私は、同時に母は千葉に帰ってもらう予定でしたので、「途中まで一緒に行くから」と告げると私が出かけることに大反対です。病院内で歩く度にお腹が響き痛むのとは比べようがない程、実際に外で歩くことは外気温と平坦な道ではない事に加え、人混みが大きなネックとなる事が数歩歩いただけで急激な腹痛と共に襲い掛かります。更に母と闘う事は今の私には辛く黙ると、今度は「途中まででなく、なぜ乗換駅まで来ないのか。前から冷たい娘だった。」と私を詰り始めました。怒りと言うよりむしろ呆れ果て、「入院前に千葉まで迎えに行った時、はっきりと言ったはず。帰りの時は私は退院後だから無理だと。どこまで自分勝手なのか」と言わざるを得ませんでした。 ですが高齢の母の顔は限界を超えていました。時間は倍かかりますが母を乗換駅まで送ると決め、電車の中でそう告げた時の安堵した顔を見て、よかったと思います。後は先生にお会いしたい一心で、会場に向かいました。いだきの社員の方々、多くの方々からお声がけ頂き、笑顔を交わし、高麗さん、先生にお会いできました事が、何より嬉しく幸せに満ちありがたいです。長い一日が終わりました。帰り道はとても長くもあり、一歩一歩風や草木を感じながら踏みしめて歩くことで、導かれ帰って来られました。時間では推し量れない昨日の一日。睡眠時間含め、今日からスタートです。退院を飾るすべてに感謝いたします。ありがとうございます。

Home > 高麗恵子 WEB サロン > 導き

検索
Feeds

Page Top